美しいひと
「頼むよ、しずかちゃん」で思い浮かんだのがこのひと。



このひとの美しさはなんだろう。

ミャンマーがどういう国か知りもせず、また興味もなかったのに、ニュースで流れたこのひとの写真一枚でアジアの片隅で起きている出来事が鮮明に印象付けられた。どこまでが姓でどこからが名なのかよくわからないアウンサンスーチーという名前も一度で覚えたと思う。ノーベル平和賞を受賞するもっと前のこと。
捕らわれた美しいひと。これ以上ドラマチックなこともそうないでしょう。


軍政が布かれた孤立した国で、つまり軍が好き放題やれそうな国で、「自宅軟禁」なんて妙に半端な処遇を受けているこのひとは何者なんだろうと不思議だった。
で、この本を読んでみた。
スーチーさんの父、アウンサン将軍はビルマ軍を組織し日本と戦いイギリスと戦ったビルマ建国の英雄で、ミャンマー国軍の父と言える人物なのだとか。さすがにそのひとり娘を手にかけるわけにはいかない、ということでの自宅軟禁。

スーチーさんは決して政治的な人ではないと思った。民主主義を実現するために戦ってはいるのだけれど、いわゆる活動家とか闘士というのとも印象が違う。
この美しいひとの行動規範は、「父の娘でいる」ということ。父の娘である自分と父が作った軍は兄弟なのだから、と。話し合いましょう、というスタンス。
自由の身になって、政治家にならざる得ないのだろうけれど、どうなるのだろう。


思うに、国造り神話の父神と娘神だったんじゃないかしらね。現在進行形の神話。
神話に登場する女神は美しいに決まってる。美しさというのは、力だ。
非の打ちどころのない出自で、特権的な恵まれた育ち方をしているわけだけれど、それだけじゃ力にはならない。髪に挿した花に劣らず美しく生まれついてこそパワーになる。美しければ世界を味方にできる。

私は美人が好きです。



コメント

はにゃ。
2013年5月2日10:23

私も美人が好きです!(笑)
それはさておき。

先日来日した時も綺麗に髪に生花を挿していましたね。
素敵でした。

様々な国で悲惨なことが今でも起きている現代史は何故か学校教育では軽視されている気がしますが。

私も彼女を何かで見かけて以来ずっと気になる存在です。

父神と娘神。神話。
なるほどー。確かにそうですね。

アジア的でもありますね。納得です。

実際に「政治家」になったら、どうなるのでしょうね。
興味は続きます。

はち
2013年5月2日19:35

娘神で美人と言えば、パキスタンのブットー首相、暗殺されちゃったんだよね
スーチーさんがいつも支持者に囲まれて守られているのを見るにつけ、暗殺されませんようにと願ってしまいます

でも、アジアには、美人かどうかと問われれば、残念ながらあまり美人ではない娘神もたくさんいる
インドのインディラ・ガンディー首相、インドネシアのメガワティ大統領、おとなり韓国のパク・クネ大統領

アジアの女性は結構強い!?

ちなみに、わたしは美人かどうかに、まったく頓着しない

美藤
2013年5月2日21:42

いま67歳だそうですが、キレイに歳をとれる顔立ちですね。
植物的にたおやかな姿が美しいなぁと思います。
やーやっぱり美人のほうが見てて楽しいでしょー(笑)

いわれてみればアジアでは「父の娘たち」が活躍してますねー。
西洋に比べて女性の地位が軽んじられる傾向にあるアジアで女性元首が多く誕生してるってなにか理由があるのでしょうね。父の遺志を「息子」が継ぐのは受け入れられないけど、娘なら許そうという精神性みたいなものあるのかしら??

ネルーの「父が子に語る世界史」を1巻だけ昔に読んだのですが、インディラが羨ましかったの思い出しました。

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