2週間経ったので、4月6日に行った The Birthday のライヴのことを。
恵比寿リキッドルームではコロナに罹患しなかっただろうことがなんとなくわかったのでホッとしている。
2週間、自主隔離して過ごしていました……というのはウソで、普通に仕事行ってたし、スーパーへ買い物行ったり裏庭へ行くバスに乗ったりフツーにしてました。
ライヴの後は、2週間、絶対ぜったい発症しないぞ!と強く強く心に念じて過ごしたので、なんだか2週間が長かった。
自主隔離するわけでもない2週間を息潜めてるのは、感染予防とかではまったくなくて、発症した時に「ライヴなんてリスク高いとこ行ってるからだ」と後ろ指差されたくないからです。
なんというか、コロナ禍下での自分の感覚、行動に滅茶苦茶な矛盾あるって、自覚はしてる。
職場のレストルームで5卓10席を埋めたスタッフが透明アクリル板越しにお弁当を広げて楽しそうに喋っているのを、「うわぁ、ここには混じりたくない」と通り過ぎる私と、歓声禁止・モッシュ禁止とはいえわずか50㎝四方の桝の中でテンション上げて呼吸荒くしてる数百人がいる密室で2時間過ごす私と。
アクリル板越しに話すオッサンに「愛想ふらなくていいから、要点だけ言って、3分以内で!」と思う私と、話をするために友人と会って5時間話した後で「あ、あれ話そびれた」と思ってる私と。
矛盾してる。わかってる。
コロナ・リスク・アラームが脳内に鳴るか鳴らないかは、ほぼほぼ目の前にいるひとへの好感度合いの違いだけだから。
・・・・・
ライヴ会場は、50㎝四方の枡でフロアが仕切られていた。
モッシュやクラウドで騒ぎたい人は物足りないだろうけど、ただただチバの声とバンドの生音を浴びたい私には、コロナ関係なくこの仕様でライヴ聴けたら良いなぁと思う。
ワタシ的には、ライヴを楽しめる環境、コロナがなければ。
入場は整理番号順で体温チェック、手指消毒徹底していて、スタッフの誘導も丁寧だし、観客もこの一年で慣れて混乱もない。私たちはみんな、できることはやってる、と思う。
……この感じならツアーもできるね!そういう感想見かけるけど。でも。。
入場してフロアにいて思ったのは「ここで感染するかどうかは、もう、運でしかないし、リスクは決して低くはないなぁ」ということだった。50㎝の枡の中で人との接触は回避されてたけど、窓のないフロアでのあの人数は、密閉密集の「密」以外のなにものでもないと思う。
演奏始まってからは、みんな歓声は堪えて頑張ったと思うけど、テンションあがって踊りまくって呼吸は荒くなっていたわけだし、薄いマスク一枚、呼気が漏れないわけがない。開演待ちの間、知り合いと盛り上がって大きな声で喋りまくってた人たちもいた。気持はすごくわかるけど。めちゃめちゃわかるけど。
そっとマスク重ね付けした。
空調のエンジニアやってる友人に聞いた。ライブハウスやカラオケ、音楽教室で、音漏れ防止の気密性と換気(冷暖房ではなく)を両立させるのはすごく難しいと。施工費用も高額になるらしい。コロナ以前に建った平均的な商業施設なら、防音に重きを置いてるだろうから、ウイルスを想定したレベルの換気対応はされてないだろうと。そりゃそうだろうな、と思う。
・・・・・
運次第?弾丸を1万発装填した銃でやるロシアンルーレットみたいな?
もしも舞台に立ったチバがキャリアだったら、実弾マシンガン乱射するようなもの?ロックだよ、あの声量だよ、ノーマスクだよ(笑)
椅子に座って静かに耳を傾ける旅人の弾き語りなら?
大きなコンサートホールなら?
密閉されたライヴハウスよりは、すこしは安心できるかも。でも、その「安心」にはなんの根拠も保証もない。ほんとに運でしかないのかな。
運でしかないのは、ウイルスをまったく可視化?認識?できないからだよね。
朝起きて体温測るみたいに、入店する時に体温測るみたいに、簡単にウイルスチェックができればいいのに。毎朝起きてすぐに結果のわかるウイルス検査ができるなら、すこしは安心できるよね。
でも、安心と安全は違うんだもんな。
一昨日も、昨日も、今朝も陰性でしたと安心してても、ゼロコロナを実現しない限りは明日にも、いや1時間後にも罹患しないとはいえない。ゼロコロナなんて、第4波とか言ってるのに、まだオリンピック開催して万単位の人間を入国させようとしてる国には不可能だよね。
あーもう考え出すといろいろいろいろ理屈に合わない、整合性も一貫性もない自己矛盾に気が付いて疲れる。疲れて考えるのやめる、そして欲望に流される。運を天に任せて。
だいたいなんで2週間なんだっけ?
その理由さえもう忘れてしまったよ。
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2020 in EZO
2020年8月16日 Live!On YouTube.
明け方にぽかっと目が覚めて。
スマホを開くとYouTubeのお知らせが届いていてライジングサンがライヴ中ですよ、と。ああ、そうだ観ようと思ってすっかり忘れてた。
タップするとナンバガが始まるところで、若~い向井さんが「ここエゾにエドから少女がひとり…」とかなんとか口上を述べていて「透明少女」が始まる。若い若い。でもこの間の無観客配信とぜんぜん変わってない。20年。時を超えるバンド力。
ほぅと聴き惚れてたら、いきなりミッシェル・ガン・エレファント!すっかり目が覚めて20歳若いチバに釘付け。で、早い、演奏が早い!高速「世界の終わり」。こんな速さでよくこんな声出るな。よく声潰さないできたよね。しかし、このバンド、カッコいいなぁぁぁぁ~~(笑)
午前4時半回ったくらい?そっか、ミッシェルがトリなのね、、と思ったところで
BLANKEY JET CITY。
おおお~なんかスゴい!スリーピース・バンドなのになんでこんな音が厚いの?
浅井さんの声はあまり好みではなくて、彼の詞をあの声で歌われるとコソバユイ、コソバユイ、ヤメレってなってたんだけど。ライヴの熱気があるからかな。照井さんと達也さんの只者じゃない感はもとから好きなんだけど、はじめてBLANKEYをカッコいいと体感して聴いたと思う。
1999年の、ナンバガ、ミッシェル、ブランキ―をいきなり寝起きに立て続け。テンション上がる午前5時。
リピート配信が続けて2回(7時間×2)あるということで、今日はいち日ライジングサンをタブレットに映して聴いていた。
アーカイヴからセットリスト組んでるわけで、正しくライヴ演奏なわけではないんだけど、それでもチャットで聴きたいアーティストの登場時間確認したりしてなんだかワクワクした。
いま3回目の配信で、もうすぐ清志郎が登場する。もう一回「雨上がりの夜空に」を聴こう。梅津さんがサックス吹きながらステージを走り回ってた。清志郎の横でにっこにこしながら歌ってるヒロトを観て、清志郎の葬儀でのヒロトの弔辞思い出してた。
そのあと、ナンバガ、ミッシェル、ブランキ―。3回目観てしまう予感(笑)
この並びのセトリで、トリがブランキ―じゃないって「なんで?」と思うけど、まあ、薔薇色の朝焼けのなかでのフェス・クロージングだからサニーデイ・サービスでいいのか。
七尾旅人ライブ「Birth Cry」
2020年7月12日 Live! コメント (7)旅人のワンマンライヴ。
ひさしぶりに「良かった…」って思えるライヴだった。
去年の4月のはバンド編成だったから、ほんとにひとりで弾き語りは一昨年の渋谷LOFT HEAVEN以来かな。
8月に閉店が決まっているグッドマンというライヴハウスでの無観客配信ライヴ。
旅人はコロナ自粛始まって早い時期にZOOMでの配信始めてたけど、配信にしてもやっぱりライヴハウスからのほうが格段に良い。そりゃそうだよね。ステージに機材をそろえて、照明が入って、PAがあって。それぞれをプロがセッティングしての演奏だから。
ミュージシャンは自宅からの発信にハードル低いと思うけれど、やっぱりプロの仕事は違うんだなと思った。
いつも客をいじってぐだぐだしちゃう旅人もとても集中していたし。
すこし顔付が変化したかな。痩せたようだし、頬に薄い陰が生まれて、大人の男のひとの顔つきに見えた。そしてやっぱり怒っていた。
旅人に限らず配信は結構みているし、投げ銭方式もいくつもあったけど、今夜は素直に投げ銭できた。普段のライヴチケット代の端数切捨てくらいの額。投げ銭お願いしますとアナウンスされても、いくらなら適当なのかよくわからなくてしたことなかったんだけど、今夜はチケット代と気持がしっくりと折り合った。投げ銭しやすいシステムだったことも大きいけど。
まだ明るい午後6時からのスタートで、夕暮れて薄闇に溶けてゆくベランダの緑を背景にモニタの中の旅人を観て、聴いた。旅人の声と言葉が切実に響いた。
とても良かった。
NUMBER GIRLの無観客ライヴ配信を観る。
3月1日のZeppでの公演が新型肺炎のせいで延期になったのだけど、もともとこの日の公演はライヴビューイングが予定されてた。それで、空っぽのZeppでの演奏になった。
曲者・向井秀徳だけに面白いかもと思って18時にYouTubeをスタンバイ。
ともだちとぽつりぽつりとチャットしながら観る。
福岡市博多区からやってまいりましたナンバーガール、ディスイズ、ムカイシュートク。やっぱり面白かった。
ほんとうなら歓声に包まれているはずの、曲と曲のあいだの、静寂。奇妙な緊張感。でも、たぶん普段通りの、ひとを食ったような向井さんのMC。
ビューカウンターはあっという間に3万超え。沈黙の中の熱狂。
ナンバガは数曲しかちゃんと聴いてないので、演奏を楽しんだというより、この不思議な配信空間を愉しんだという感じ。
向井さんが何度か口にした「異常空間Zepp!」まさにそのまんま。
最近観てなかったけどDommuneなんかも面白い配信やってたし、配信に向く個性的なアーティストとかいっぱいいるのかも。
もちろん生身のアーティストと空間共有してホールの温度が上がるのを感じながら生まれたての声を聴くのは格別だけれど。
ZAZEN BOYS
2019年12月1日 Live! コメント (2)アルコール分解酵素を持ち合わせていないようなので、お酒はあんまり飲めないのだけれど、酔いを愉しんだこともなんどかあるのだ。
外苑前にあったヴヴクリコをグラスで頼めるビストロで、ほわんほわんに酔ったことがある。オリーブに刺さったピックが可愛くてクスクス、グラスを登る気泡にうふふふ。あれは魔法にかかったように気持よかったなぁ。
一昨日のZAZEN BOYSのライヴは、そのときとおなじような酔いが回った。持ってたのはボトルの水だったのに。最後列のバーにもたれて、のぼせたようにふわふわと聴いていた。
なんだろう、あれは“法悦”とかそういうものに近いんじゃないかしらん。
向井秀徳ってそういう怪しいパワー持ってそうな気がする。いや、持っている。曲名に繋げるほんのひとことふたことの口上が不思議なリズムを持ってて、黒人教会の礼拝の牧師が説教で信者をトランス状態にするような? 熊野の坊主が護摩焚いて呪いかけるような?(笑)
メガネに白い半袖ボタンダウンシャツにコンバースとか、そこらの大学のポスドクみたいな見た目なんだけど、ただ者じゃないよねぇ、向井さん(笑) なんだろ、めっちゃ正体不明なカリスマ。ただのミュージシャンというよりは、ボードビリアンとか達者な芸能者って感じがする。怪しい、めちゃめちゃ怪しい。そこが魅力。
で、良い酔いって疲れが残らない。スタンディングだったのに、帰りがけ身体が軽くて翌日も気分良く目覚めた。
Number Girlはチケット玉砕し続けてて行けそうにないけど、ZAZEN BOYSはまた行けるかな。向井さんのアコエレも行きたい。
また、法悦を授けていただきに足を運びます(笑)
TOUR MATSURI SESSION
2019.11.29 Zepp DiverCity
「新宿御苑森の薪能」のチケットを取っていた。
昨年、御苑で観た「国栖」がとても良かったので、今年も観たいと思った。
https://momijimomiji.diarynote.jp/201810180151255398/
また、大鼓のターーンと響く音を、謡の言葉を、虫の声を風の音を聴きたいと思った。
なのに残念。
南の海上を進む大きな台風21号の影響で天気が安定しなくて、当日になって会場が変更になった。
薪能はこれまで雨で何度か中止になっていて、昨年から代替えのホールを用意するようにしたとのことだった。昨年は御苑で演じられたので、今年が初の新宿文化センター。御苑の薪能を観に行く心持からしたら、これは、中止にしてくれたほうが良かったかな。
ホールの席は2階正面最前列で、舞台が良く見える良い席だったんだけど、能舞台を上から俯瞰するポジションって、能の空気感を味わうには、どうなんだろう?って思う。
能楽堂には橋掛かりから本舞台まで屋根がかかっているけれど、普通のホールだからそれがなくて、すっかすかに見通せてしまう。御苑なら、それを補う自然の舞台装置がふんだんにある。夜空が能屋根で、大きな樹々が老松で、少ない照明が陰影を作って、虫の音風の音、都会の喧騒までが謡に唱和する。
平面的に明るいホールの能舞台は、やり損なったポップアートみたいで…は、言い過ぎか?(笑)
演目が「安達ケ原」で、これって怖くて悲しい話なんだけどね。
最初に囃子方、謡方が舞台に上がったあと、後見ふたりに布で覆われた庵室が静々と運び込まれる。なかにシテの演じる老女が座しているとわかる。
あとで、一緒に行った友人が「もう老婆が入った試着室にしか見えなくなって」と言っていたのがウケたよ。た、確かにーー(笑)
あのパッカーンと開けたホールではシンボリックな作り物が舞台装置として活きない。日本の芸能には、深い陰影が絶対に必要なんだなと思った。それから、能舞台は見下ろしてはいけないというのも思った。
「安達ケ原」、一番ホールに似合わない演目だったかもね。
私はなるべく視覚は意識から飛ばして、案外聴きとれる謡と演者の人たちの所作だけに集中してたので、老婆が薪を拾いに出て橋掛かりの途中で振り向くところなんか「怖い…」と思えたのでまあまあ良かったけど。
でもでも、安達ケ原=老婆の試着室 に完全脳内変換されてしまったかも(汗)
2019.10.24 第33回 新宿御苑 森の薪能
新宿文化ホール
いまはロックが欲しい
2019年10月6日 Live!去年「いちこちく」を聴きに行った吉祥寺のライヴハウスで、向井秀徳×七尾旅人のツーマン。
この組み合わせはきっと良いだろうと思った。
クセ者向井秀徳が相手だと、負けず嫌い旅人に気合が入るだろうなぁと。
今年は、旅人、これでライヴみっつめ、か。
バンドツアーのワンマンと梅津さんのプチ大仕事、それからこれ。
少年兵ギラン―アクロス・アフリカ―きみは美しい―蒼い魚 の繋がりが良かったかな。「きみは美しい」はPVで観る?聴く?印象がなんだかしっくりこなかったんだけど、モザンビークの友人ナジャの歌からの流れは素直に聴けたかな。そして続く、アコギの「蒼い魚」も。
旅人の歌はとても大事に感じているし大好きなのだけど、彼の歌は背景の物語や彼の感情が濃くて、さらっと聴き流せない。その流せないところが旅人の素晴らしいところなんだけど、残響を、気持良く受け止めて音を連れ帰れる日ばかりじゃなくて。
ここ最近は、ちいさなロウソクの炎を消さないように背中丸めてうつむき加減で歩くような気分じゃなくて、身体の中の細胞を光の粒子にかえて発散するようなカタルシスが欲しいって感じてる。
いまはね、ロックなの、欲しいのは。
だから、第二部に向井秀徳が登場して鳴らしたギターがすごくカッコよく感じて気持ち良かった。
「マツリスタジオカラ ヤッテマイリマシタ ディスイズ ムカイシュートク」
「クリカエス ショギョウムジョウ ヨミガエル セイテキショウドウ」
発語のまっすぐな迷いのなさ。破戒僧のような突き抜けた覚悟。
このひとは、正気を保ったままイッちゃってるひとみたいだ。ロックだ。確信犯的なこの強さが、いま私が無性に欲しいもの。聴きたい音。
来月、ZAZENBOYS のライヴがある。楽しみで仕方ない。
またこの向井秀徳アコースティック&エレクトリックも聴きにゆきたい。
第二部:向井秀徳
約束
天国
6本の狂ったハガネの振動
猫踊り
七つの子
KARASU
OMOIDE IN MY HEAD
Water Front
はあとぶれいく
第三部:セッション
CRAZY DAYS CRAZY FEELING
サーカスナイト
ワインレッドの心
恋
スローバラード
ZEGEN VS UNDERCOVER
赤とんぼ
KIMOCHI
向井秀徳アコエレ×七尾旅人「紡ぐ言葉は音を鳴らす」
吉祥寺Star Pine’s Cafe 2019.10.3
ブルガリアン・ヴォイス
2019年9月30日 Live!清しく麗しい、天上の音楽を聴いた。
昨年11月に三宅純のブルーノートで聴いたブルガリアン・ヴォイスが美しくて、機会があったら聴きたいと思っていた。
ブルーノートに出ていたのはコスミック・ヴォイセスの3人、昨日のはアンジェリーテという18人。
音楽を奏でる<器>としての声というのは、なんとも素晴らしいものなのだなぁ。
曲はもちろんはじめて聴くものだけれど、ブルガリアという風土に息づく物語が感じられて、声の柔らかさと可愛らしいちいさなマイムで楽しく聴く。
途中の2曲に、雅楽器の笙を演奏するアンサンブルが加わる。
笙の音とブルガリアン・ヴォイスはこんなに親和性があるのだね。18人の声とみっつの笙が融け合って厚みが増して聴こえた。
アンコールで、笙の3人が、客席後方から笙を鳴らしながら登場してステージに上がる。あんなにちいさな楽器なのに、ホールに柔らかく響き満ちてくる。
笙って、ちいさなパイプオルガンのようだなと思いながら聴いたけど、構造的には同じ?親戚?なのかもしれない。
笙とパイプオルガンと、成立の場所も時代も異なるのだろうけれど、美しい音を求めた心がみつけた形なのかな、不思議なような、必然を納得できるような。
このアンコール曲は、18人の声とみっつの笙が出す音が、ざわめきのように響き渡っているのだけど、そのざわめきは複雑な音のモザイクのようで心地よい。
最後はモザイクのピースがほどけて空気に溶けてたなびいて消えてゆく。
天上の音楽って、こういうものなんだなぁと思う。
すみだトリフォニーホール 2019.9.29
ファンファーレ・チォカリーア
2019年7月18日 Live!もうスタンディングはきついわぁーと思っているのに。
武蔵野市民文化会館大ホールという座り心地の良い座席の時に限って、とっても座ってなんていられないでしょ、という演奏に当たる。
映画「アンダーグラウンド」のオープニングで、馬車の後ろを駆けながらブラスを鳴らすおっさんたち、その一座の日本公演。
映画観たときに、初っ端で、わぁ、走りながら金管吹いてるわぁーって、その Helter skelter な映像でいっきに映画の中に入っていった。ブラスのおっさんと馬の、壁に映るシルエットとか、イメージがくっきり残った。地下での宴会場面での演奏とかも。おっさんたちにセリフはなくて(たぶん)、ただひたすら高速ブラスを吹きまくってるのが、戦時下のハイパーな混沌そのままな気がした。
だからね、お尻むずむずしちゃって座って聴くなんて無理よね。
最初の一曲から、舞台でオーディエンス煽ってたし、常連の人たちはずっと踊ってたし。席が舞台に近いところで、後ろを見るとまだ皆さま静かに鑑賞されてるようだったので我慢して、お尻だけ座席に置いて手足ばたばた(笑)最後は立って通路で音に乗って楽しんだけどね。
曲はもちろんどれも知らないんだけど、鼓膜が聴くと言うより、筋肉を動かす神経に直接流れ込んでくるような感じ。こんな一座が町にやってきたらそのままついて行っちゃうだろうな、というような。
でも、ところどころメロディにふっと懐かしさが浮かんできて、すっと心に馴染む気がした。はじめて聴くはずの音楽に感じる懐かしさってなんだろう。どこからくるのかな。
最後は並んで演奏しながら舞台を降りて、会場を抜けてロビーへ。そこでまだまだ演奏が続いてた。帽子で投げ銭を受けるおじさん。そうそう、おじさんたちの舞台からの投げキスが板についてて素敵だったなぁ。
2019.7.4
北アフリカ料理を食べに日暮里へ行く。
日暮里は父の姉夫婦が住んでいて、子どもの頃はよく遊びに行った町。
改札を出たら、目の前に線路が何本も何本も走っている風景が広がっていなくてはいけないのだ。私にとっては。
なのに北口改札を出ると左右にコンコースが繫がっていて、線路が見えない。
日暮里駅で降りるの、国鉄じゃなくなってからはじめてかも
それ昭和?
昭和。平成は私たちに何も残さなかった気がする
折坂悠太が今夜きっと歌うよ。平成、疲れてた、、って
鶯谷の、昭和なホール「東京キネマ倶楽部」で折坂悠太のワンマン・ライヴ。
印象は、ハイブリッド、かな。
向井秀徳さんのような言葉の強さにはっとするところが何度か。なんだけど。流れてしまって、いま残ってない。帰って、すぐに曲を確認しようとまで思わなかった。
ステージは、キーボード、ドラム、ギター、パーカッション、トランペット、サックス、、こんなに楽器多くなくてもよいのではないかな、と。中盤、ギターとパーカッション、ギターとトランペットで演った弾き語りが良かったかな。でも、曲が記憶されてない。あら?
「呼び名」とか、声と言葉がまっすぐに届く歌が好きなんだけど。
たぶん、私には出会うのが早すぎたんだろう。しばらく静観。
東京キネマ倶楽部 2019.5.30
Hermeto Pascoal e Grupo
2019年5月13日 Live!
82歳で地球の裏側までやって来て、野外フェスに出て、Billboardで2ステージやって、それから大阪と九州に行くって、もうそれだけであっぱれだ。
去年に比べて彼自身のパフォーマンスが少なめだったかな、と思わないでもなかったけど、ステージの上をよちよちよ動き回りながらバンドを指揮してゆく。手のひらで音を止めて、首を振ってリズム楽器を鳴らす、カラダをぶるんと振ってすべての楽器を開放する。5人の弟子を縦横に手足のごとく使って音を鳴らす。パスコ爺さんのmúsica 。
エルメート・パスコアールがどんな音楽を演ってきたのか、ほとんど知らない。ほんとにほんのちょっと聞きかじっただけなので、ヤカンを吹くのも<お約束の芸>のように見えなくもないし、なにも残った水を頭から被らなくてもとも思う。パスコアールを神様と崇める人には、「罰当たりめ、その席を空けろ、もったいない!」って怒られそうだけど。でも、そんな程度の私でも、ステージの上に、着ぐるみみたいな4頭身のパスコ爺さんが立ってこそ生まれる音があるんだなというのはわかる。たぶん譜面に残すことはできない音。音楽って、音と人なんだなぁ。
昨日はちょっと体調が悪くて、頭の焦点合わない感じで、ライヴもパスしようかとちょっと悩んだんだけど。だから、会場がBillboardで、椅子席でよかった。
あまりステージも見ないで、ふわふわした頭で聴いてたんだけど、気がついたら身体が気持ちよく音に揺られていたし、終演して立ち上がったら身体が軽く頭もクリアになってた。
Billboard Live Tokyo 1st 2019.5.13
去年に比べて彼自身のパフォーマンスが少なめだったかな、と思わないでもなかったけど、ステージの上をよちよちよ動き回りながらバンドを指揮してゆく。手のひらで音を止めて、首を振ってリズム楽器を鳴らす、カラダをぶるんと振ってすべての楽器を開放する。5人の弟子を縦横に手足のごとく使って音を鳴らす。パスコ爺さんのmúsica 。
エルメート・パスコアールがどんな音楽を演ってきたのか、ほとんど知らない。ほんとにほんのちょっと聞きかじっただけなので、ヤカンを吹くのも<お約束の芸>のように見えなくもないし、なにも残った水を頭から被らなくてもとも思う。パスコアールを神様と崇める人には、「罰当たりめ、その席を空けろ、もったいない!」って怒られそうだけど。でも、そんな程度の私でも、ステージの上に、着ぐるみみたいな4頭身のパスコ爺さんが立ってこそ生まれる音があるんだなというのはわかる。たぶん譜面に残すことはできない音。音楽って、音と人なんだなぁ。
昨日はちょっと体調が悪くて、頭の焦点合わない感じで、ライヴもパスしようかとちょっと悩んだんだけど。だから、会場がBillboardで、椅子席でよかった。
あまりステージも見ないで、ふわふわした頭で聴いてたんだけど、気がついたら身体が気持ちよく音に揺られていたし、終演して立ち上がったら身体が軽く頭もクリアになってた。
Billboard Live Tokyo 1st 2019.5.13
七尾旅人ワンマン「Stray Dogs の冒険」
2019年4月29日 Live! コメント (4)整理券の番号が若かったので、5時15分過ぎには会場に入った。
会場に流れるサックス、「アルバート・アイラー?か?な??」って思ったけど自信はない。旅人のアルバムを久しぶりに手に取って、なかに入っていたメッセージを見て亡くなった父親のコレクションの音楽にアイラーの名前があって、昨日の印象は正しかったのかなって思う。曲名はわからないけど。
追記:ツイートで確認。「Albert Ayler、Deep River〜聖者の行進」
あってた、ウレシイ♪
バンドのメンバー。
Shingo Suzuki(Ba) Kan Sano(Key) 山本達久 (Dr) 小川翔 (Gt)
Kan Sanoはときどき名前が流れてきてて、一度聴いてみたかった。繊細な音で旅人に合う感じだったけれど、すべての楽器が鳴り出すとキーボードの音があまり響かなかった。これは奏者じゃなくて、音響の問題なのかな?よくわからないけど。もうすこし聴いてみたかった。
山本逹久さんのドラムは、ほんとうに好きだと思った。
市子ちゃんや坂田明さん、UAでもご縁があって。市子ちゃんの時も素敵だったな。逹久さんのドラムはリズム楽器なだけじゃない。優しく柔らかく歌ってるって感じる。叩いてるっていうより奏でてるっていう感じの音。
ここにギター&ベースが並ぶと“バンドだ!”感が増幅されるね。
次はライヴハウスで、キーボード&ドラム&旅人のトリオで聴きたいかもなぁと思った。椅子&テーブルありでお願いしたい。
やや怖れ気味に予想してたよりも、ずっとずっと楽しいバンドライヴだった。
旅人がシアワセそうで楽しそうで良かった……と、やっぱりそう思う(笑)
なんなんだ、旅人って(笑)
旅人は弾き語りの完全ワンマンよりも、誰かと一緒にステージに上がる時のほうが<ショウ>としてはより良いものになると思う。梅津さんとのステージがそうだし、今回もバンドメンバーが一緒だから自分の感情だけで迷走しないで演奏に集中する。
旅人にはそれとは気づかせない手綱があったほうがいい。
ん?今回のアルバム、迷子犬の歌を歌ってるわけだけど、リード外れて駆けだしてはぐれてしまうのはやっぱり旅人自身なんだね。
1.星に願いを
2.はぐれ犬 そら
3.Leaving Heaven
4.迷子犬を探して
5.スロウ・スロウ・トレイン
6.DAVID BOWIE ON THE MOON
7.Almost Blue
8.崖の家
9.Across Africa
10.きみはうつくしい
11.蒼い魚
12.Memory Lane
13.どんどん季節は流れて
14.Rollin’ Rollin’
15.サーカスナイト
16.Confused baby
17.天まで飛ばそ
18.いつか
<Ec>
19.虹(電気グルーヴカバー)
20.バスドライバー・ブルース
21.この素晴らしき世界(サッチモカバー:七尾旅人訳)
曲順の構成も良かった。
旅人の新しいアルバムをやっとちゃんと聴けた気がする。
恵比寿ザ・ガーデンホール 2019.4.29
もどかしい。もどかしくって苦しい。
一昨日、すみだトリフォニーホールで聴いていたときに感じていたことが言葉にできない。匂いと音は、ほんとうに記録しておけない。匂いには言葉が存在しないし、音は、私が言葉を知らなさすぎる。
フルオーケストラというのがどういう編成なのかちゃんとは知らないけれど、ステージに並んだ40台かそれ以上の弦楽器に何種類もの管楽器、打楽器、2台のハープや大きな鐘、パイプオルガンまでが扉を開いて音を鳴らすのを待っていて、、、、一昨日のホールがどれほど贅沢なものだったのかくらいは判る。そのうえバイオリンのソリストがいて、ソプラノがいて、ピアノにチェンバロに、シンセサイザー。それを14列の20番という良い席で聴く。すごい。でも、言葉にしたいのはそれじゃない。
ほんとうは言葉になんかしなくても良いものなんだけど、でも、言葉でピン留めしておかないと消えてしまいそうで。なのに、音を留めておくプッシュピンを一本も持ってない。もどかしい。
いや、絶対に消え去りはしない体験なんだけど。
<曲目>
R.シュトラウス/交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》作品30
リヒター/「メモリーハウス」(日本初演)
<Ec>
リヒター/《ブルー・ノートブック》より「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」
<出演>
クリスチャン・ヤルヴィ(指揮) / マックス・リヒター(ピアノ・エレクトロニクス) / マリ・サムエルセン(ヴァイオリン) / グレイス・デヴィッドソン(ソプラノ) / 新日本フィルハーモニー交響楽団
メモ:グスタフ・マーラー 記憶 砂時計 ベニスに死す 走馬燈 消去
2019.3.5
すみだトリフォニーホール
クリスチャン・ヤルヴィ サウンド・エクスペリエンス2019
梅津和時プチ大仕事
第一夜「ふたり」 梅津和時×七尾旅人
1.Girl From The North Country
2.Leaving Heaven
3.DAVID BOWIE ON THE MOON
4.お月さま
5.ストリッパーのお姉さん
6.星に願いを
〜7. Twinkle, Twinkle, Little Star〜(即興「UFOにさらわれたふたり」
8.バスドライバー・ブルース
9.Midnight Zoo〜(即興:さまざまな動物たちの咆哮、ふたりの掛け合い)
10.きみはうつくしい
11.スローバラード
12.東北
13.いつか
<アンコール>
14.ワイルドサイドを歩け
2019.2.13 新宿PIT INN
第一夜「ふたり」 梅津和時×七尾旅人
1.Girl From The North Country
2.Leaving Heaven
3.DAVID BOWIE ON THE MOON
4.お月さま
5.ストリッパーのお姉さん
6.星に願いを
〜7. Twinkle, Twinkle, Little Star〜(即興「UFOにさらわれたふたり」
8.バスドライバー・ブルース
9.Midnight Zoo〜(即興:さまざまな動物たちの咆哮、ふたりの掛け合い)
10.きみはうつくしい
11.スローバラード
12.東北
13.いつか
<アンコール>
14.ワイルドサイドを歩け
2019.2.13 新宿PIT INN
ichiko aoba “qp”tour
2019年2月3日 Live!
私にできることがあるとすると、その場に集まっている人たちや、場の力を代表して音に還元する。だから、そこに集まった人たちが何を聴きにきたんだろうっていうことを、私も一緒になって考えて、出口になる。私が作った何かを発表する場所では決してないんです。コンサートのたびに起こって面白いなと思うのは、演奏をする前にいつも高熱が出て、食べたものや飲んだものが全部すっからかんになって。それは不思議だなと思うんですけど、そうじゃないと出口が詰まってしまうのかもしれないです。その場所にとっての出口になって、物事が通って行けるように整える。私にできるのはそういうことしかないなと思っています。
青葉市子
聞き手:橋本倫史
青葉市子ライヴで配られたフライヤーにあったインタヴュー。
市子ちゃん、「出口」ってすごいな。
浅草公会堂にいた1000人を飲み込んでいたのか。
やっぱり巫女?口寄せのイタコ? いや、龍かもしれない。
浅草公会堂 2019.2.1
ライヴの客、コミケの参加者と丸被りらしいよ、と聞いてびくびくしていたのだけれど、気になるなら気になってるうちに行っとけ、残された時間には限りがあるんだぞ、、という思いが最近常にあるのでチケット取った。けっこう頑張って取った。ある意味大騒ぎで取った。馬鹿だなぁと思いつつ、あんまりあからさまに馬鹿なとこ晒さないで来た人生なので、大騒ぎしてる自分を面白がりながら。
大騒ぎして取った甲斐あって早い番号で入場できたので、やや後ろ、一段高いフロアのバー前をキープ。あとから入ってくるオーディエンスを観察(笑)
若い子たちは、なるほどアニメオタク?なのかなと思う雰囲気。とはいえ、そんな会場で浮いてる感はさほどなく。むしろ50代以上のファンも目につく。みんなP-MODEL時代からのファンなんだろうか、すごいなぁと感心する。2018年にヒラサワを知って、今日ここに来ている50代は、日本中で絶対私だけ!と意味不明な自信を持つ(笑)
豊洲PITの4000人、ひとりひとりに違うパッションのようなものが働いて、ここに向かわせてるんだなぁ。アーティストがひとに及ぼす力って不思議だ。
友人がヒラサワを Pied Piper に喩えていたけれど、ほんとそれぴったり。ヒラサワの笛につられてみんなここまで来たんだなって思う。
ライヴは新しいアルバムにあわせたものなので、ほぼ全曲知らない曲。新しいアルバムは買ってないので。でも、ヒラサワサウンドで聴けてしまう。だいたい一年前の今頃は一曲も知らなかったんだから、新曲だろうが旧曲だろうが関係ない、畏れるるに及ばず、だ(笑)
で、薄々思ってたんだけど、私にとってヒラサワって、ある種“イロモノ”なのかも(笑)曲がじゃなくて、本人が。
大人になったマコトちゃんみたいなP-MODEL時代といい、いまTwitterに登場するキャラといい。地元のゆるキャラに萌える感覚に近いかも?いわゆる、ゆるキャラは大嫌いなのに不思議だ。でも、やっぱりきっとイロモノ枠なんだと思う。壮大で豊穣な楽曲も、誤解を恐れずに言えば、パチンコ屋で鳴り響く軍艦マーチって感じだし。表現アレだし、いまパチンコ屋で軍艦マーチかかるのか知らないけど(笑)……いや、褒めてます。表現変えると、ワーグナー的な?壮大で勇壮?全能感が湧くというか? 気持良く聴いてます。曲、好きです(笑)
でもなんか、ステージにいるヒラサワ見ながら聴きながら、フツフツと可笑しみが湧きあがってきてしまうんだよね。これはやっぱりシアワセの一種ですね。
アーティストって、ステキな存在だ。
とりあえずヒラサワ騒動はこれにて落着。
あとは普通に聴いて楽しむだけ。
2019.1.14 豊洲PIT
<覚書>
また聴きに行きたいライヴ。
Hermeto Pascoal
これはもう途方もなく楽しかった。音の神様。音楽仙人。
青葉市子×知久寿焼「いちこちく」
ゆるゆるともののけが歌い交わす声が聴こえてくる世界が続くように。
イ・ラン
カッコいい。
三宅純
なんという気持ちのいい、美味しい音か。豊穣。音楽のエンジニア。
The Birteday
次はライヴハウスへ、Go!
七尾旅人「Speak Like A Child」
2018年12月8日 Live!旅人のワンマン・ライヴ。
昨年の正月以来かな。
1. Girls from the North Country (Bob Dylanカバー)
2.待ってはくれない
3.お月さま
4.遠い
5.息をのんで
6.コードをひとつ覚えたら
7. It’s Only Fantasia
8.引っ越しする前の家
9. Leaving Heaven
10.七夕の人〜
11.銀河を渡る子供たち
12.夏祭り終わった お家に帰ろう
13. Midnight Zoo
14.少年兵ギラン
15.ストリッパーのお姉さん
16. Memory Lane
17. 蒼い魚
18.ねえ、どんな大人に?
19.海辺の生活
20.Waiting For Running Man (友部正人さんのNYCマラソンの歌)
21.僕の歌は君の歌(Elton Johnカバー)
22.ゆうきの歌
23.素晴らしい人
24.リトルメロディ
25.この素晴らしき世界
26.おやすみタイニーズ
27.リンドンベル
28.誰も知らない
29. Twinkle,Twinkle,Little Star
風邪ひいて、さらに持病の咳喘息発症してしまったという最悪のコンディションで始まったひさしぶりのワンマン。歌えていたし、彼のライヴはアクシデントつきものだし、フレーズの間に咳き込むのさえ、今この時だけのメロディにしてしまえるからいいんだけど、ね。
薬のせいなのか、体調はダウナー、頭はハイパーで、しゃべることしゃべること。もともとしゃべりだしたら止まらない、話したいこといっぱいいっぱいあるひとなんだけど、何しろ今回は持ち時間とか気にしなくていいワンマン。19時半開演で、終わったのは24時まわってたらしい。
らしい、というのは、電車が無くなるのでリトルメロディまで聴いて、23時半に席を立ったから。
熱がある眩暈がしてきたと言いながら、いっぱい歌ったなぁ。
Elton Johnカバーの「僕の歌は君の歌」、伊勢で聴いてすごく良いなぁまた聴きたいと思ってたので聴けて良かった。
でもなんだろ、ワンマン・ライヴを堪能した感がない。
ちょっと旅人クンを見守るのに飽きてきたのかもw
まもなく新しいアルバムが届く。
シンプルに歌を曲を旅人の声を楽しみにするファンでいいかなぁ。
……無理か。
渋谷LOFT HEAVEN 2018.11.16
Lost Memory Theatre
2018年11月26日 Live!この秋、一番楽しみにしていたライヴ。
去年2月に晴れ豆で演った「Lilies of the valley」の、ゴージャスでカッコイイ音を聴いて、もっと大きなところで三宅純を聴きたいなぁと思ってた。
アルバム「Lost Memory Theatre」は、オーストリアのラジオ局が30分ほどの番組にして放送したのをMusic Cloudで聴いた。アナウンサーのドイツ語が音の色にしっくりと馴染んでいてその番組自体が聴いてて心地よかったのでiPodに落としてときどき聴いてる。ブラジルでのステージの様子もyoutubeで観てて、あーこれライヴで観たいなぁ聴きたいなぁと思っていたのだった。
三宅純ってヨーロッパがホームグラウンドなひとというイメージだったので、普通に日本にいる気がしなくて、晴れ豆の時も、こんなちいさなライヴハウスにでたりするんだーと不思議な感じがした。もちろん充分楽しんだけれど。
昨夜のBlue Note 。ソフィスティケートされた三宅純の音に似合ってた。贅沢な空間に豊潤な音。
柔らかなドラムの響きも、ドラマチックに鳴る弦の厚みのある音も、ブルガリアの三人の天空に満ちるような声も。
コスミック・ヴォイセズのヴァニャ・モネヴァが目の前に立つたびに香るヨーロッパのひとらしいパフュームも、隣のテーブルの白人男性の体臭も、皿から匂うバルサミコも。
昨夜そこにあったなにもかもひっくるめて「Lost Memory Theatre」の演出の一部みたいだった。
訪れたことのない、記憶にあるはずのない―――あらかじめ失われた記憶の―――土地の空気、匂い、音が、異空間からつぎつぎと立ち現れまた去ってゆくのを観て聴いているような90分だった。
三宅純は何度もステージ上のアーティストを紹介していた。階上にいる音響スタッフや後ろに控えるモニターエンジニアまで紹介してた。「彼らがいないとこのステージはつくれません」と言って。空間に音を満たしてみせるパフォーマンスに関わるすべてを指揮して作品にする。
ギター一本の弾き語りや街角の鼻歌が心に響くこともあるけれど、こういうプロフェッショナルなアートを聴くというのはやっぱり格別だと思う。
この秋のハーベスト。黄金色の豊穣。
2018.11.25 Blue Note Tokyo 2nd
はあぁ…………、良かった。
お能をこんなに面白く観られるとは思ってなかった。
友人からチケットが余ってるんだけどと誘われて、新宿御苑で薪能なら初心者でも大丈夫かな、狂言は野村万作、萬斎+息子の三代揃い踏みだし、そっちはまあまあ楽しめるかも、、と行ったんだけど。
能の舞台が、圧倒的に良かった。
演目がどうとか演者がどうとかはまったくなにもわからないのだけど、能舞台に上がったひとたちの、一挙手一投足のひとつひとつがいちいち興味深くて。
大きな照明が落とされて、粛々と囃子、謡のひとたちが舞台に上がって、笛がひょぉーと鳴った途端に気温がすっと下がったような気がした。
「かーーん」と「たーーん」の間くらいの音色で響く大鼓の音がすごく気に入ってしまい、奏者が大鼓を膝に乗せて右手をすっと開く所作をずっと見入ってしまった。大鼓のあの音、響き。なんだろう、、なにか清しいものに身を打たれるような気持の良さ。
能舞台の背景に描かれる松のかわりに、新宿御苑の大きな木々が照明に浮かび上がっていて、風で枝を離れた朽ち葉が光の中を舞って。虫の音や遠くで鳴る緊急車両のサイレンまでも異界からの音のようで。演じ終って、ひとりひとりがまた粛々と舞台を去った静寂の中を虫の音がとても大きく響いて、誰かがSEのレベルあげたのかと思うくらいだった(笑)
能の演目は「国栖」
http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_088.html
急に行くことになって予習もなしで向かったんだけれど、会場でもらったパンフにあったあらすじをさっと斜め読みしただけでも謡の内容がまあまあ聴きとれたし思ったよりわかりやすかった。
能楽堂にいきますか?と言われたら、どうしようと迷うけれど、来年もここの薪能は行きたいと思う。
狂言は「二人袴」
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc12/enmoku/futaribakama.html
2018.10.17 新宿御苑