アシナガバチを、殺した。

フタルスリン
モンフルオロトリン
ビフェントリン

混合薬剤550㎖を、缶が空っぽになるまで、巣に吹き付けて。

厚手のシャツとジーンズの上に100均で買ったレインスーツを二枚重ねて着こみ、ゴム手袋をして、長靴を履いて。キャップの上から透明ビニール袋を被って。怖くはなかった。夜10時、みんな巣に戻っておとなしく寝ている時間だから。
 

仕方がなかった。
3日前、巣を繋ぎとめている部分が壊れたのか、屋根から外れて30㎝ほど下の桟に落ちていた。日除けの簾にひっかかって止まっているけれど、ベランダへ出る掃き出し窓のすぐ上、私の頭上15㎝位の位置に巣があった。強風で煽られたりしたら、ベランダまで落下しかねないし、さすがにこれは危ないと思った。
それでも迷った。
巣の下が塞がれた状態になってるし、幼虫が羽化するのは難しそうだし、彼らが巣を放棄してくれれば殺さずに済むと思った。
2日様子を見たけれど、巣を離れる気配はなく、巣の異変でなのか、はぐれたハチが何匹も網戸に止まっているようになって。
あまりに距離が近くなりすぎて、これではベランダの水遣りも危ない。

仕方なかった。

殺虫剤を撒いている間、一匹も巣から飛んではこなかった。
怖くはなかった。けど、いま、部屋に戻って、思ってた以上に動揺している。

ガラス窓の外にまだ巣がある。たぶん生きているハチはいないと思う。
いまは、まだそれを確かめる気にはなれない。

仕方なかった。

もう、アシナガバチの巣を楽しみにするのは終わり。
殺すことになるくらいなら、最初から巣をかけさせなければよかったんだ。
もう、やめます。












アシナガバチ 事故
 
 
アシナガバチの営巣が最盛期を迎えている。
写真の巣が7月下旬のものなので、そこからまたひと回り大きくなって、蛹室の数も増えている。そろそろ雄バチと新女王が誕生するころ、、らしい。

というところで、刺された。


襲われたわけじゃないの。アシナガバチは悪くない。
不幸な事故としかいいようがない。
夜に、ベランダに出ようと、サンダルに足を入れた瞬間に「Ouch!!!!!!」ってなった。蹴りだしたサンダルからアシナガバチが這い出して来た。

巣を追い出されたのか、帰巣しそびれたのか、一夜のねぐらでそこに潜り込んでいたんだろう。パンチングのある黒いサンダルで、巣に似てなくもないもんねぇ。


左足の第2趾の付け根を刺されてた。
みるみる腫れてゆくのにびっくり。

流水で刺し傷を洗って、抗生剤入りの軟膏があったので塗って、保冷剤で冷やして様子を見た。痛みは刺されたその瞬間だけだったけれど、親指が2本あるの?ってくらい腫れていくのを見ながら、呼吸苦しくなってないか?OK、痒みや発疹が足以外に出てないか?OK、と一応全身の様子も見る。蜂に刺されるのは初めてだから、ショック症状はたぶんないだろうと思ったけど。
翌朝、腫れてはいるけど痛みもなく歩くのにも支障はなかったので、皮膚科にも行かず今日で5日。足の甲にまで赤斑が出ていて、すこし痒いけれど問題はなさそう。


刺された晩は考えた。
おとなしいハチだから大丈夫なんて、甘かったかな?やっぱり落とした方が良いかな。夜にジェット式の殺虫剤使えばたぶん一気に駆除できるだろう…。もう一度刺されてオオゴトになったら困るし…。


冷房を入れた私の部屋からベランダの屋根に視線をやると、ポリカ波板とその下に日除けに張った簾のあいだを出入りするアシナガバチが良く見える。巣自体は見えないのだけれど、狩りに出かける働きバチの飛翔ルートも決まっていて、出発、帰還の様子がベランダの緑と一緒に視界に入るのが、気に入っている。

アシナガバチカレンダーを何度も読んでみる。
うん、いまが一番、針を持った働きバチの数も多いし、子育てに忙しいから用心が必要なんだろうけど、、、あとひと月、かな。気を付けます。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/HomePage_polistes/p_03.htm





   ・・・・・

これ書いてて、刺された足指をなんて書くか迷った。
左足の人差し指って、、ヘンだよねと思って。手指なら「人差し指」だけど、足で指さしたりしないし。薬指もね、薬塗らないし、そんな身体柔らかくないし。
ということで調べて「母趾、第二趾、第三趾、第四趾、小趾」っていうのだと初めて知った。そっか、外反母趾の「母趾」がこれか。正しくは「指」じゃなくて「趾(あしゆび)」なのね。



刺された時の感覚。
「Ouch!」の瞬間に正しく「刺された」と認識するのすごいね。
ガラス片のようなもので切ったのとも、棘のようなものを踏んで刺さったのとも、火傷のような痛みとも違うと、「蚊よりも大きな針で刺された」と瞬間にわかる。ハチに刺されるのは初めてなのに。どこかでイメージトレーニングされてるんだろうか?
痛み刺激を脳に送って脳が判断するより、趾の皮膚が「ハチの針」って認識したように思う。皮膚は第三の脳だっていうの納得できる気がした。







アシナガバチ 誕生
 

働きバチが誕生した。
女王の営巣を確認してから50日あまり。

初フライトなのかな。飛ぶというよりふわふわと落下するみたいに、巣の真下に置いてあるチョウセンゴミシの鉢の上に降りてきて葉を点検していた。まだ若いけど、すでにパーフェクトなベスパ・ボディ。すぐに狩も上達するんだろう。
 
ふいに出くわして驚かさないように、ベランダに出るときは気を付けよう。
眼下に出没する大きなイキモノは敵ではないって認識してもらわなくては。




アシナガバチ リターンズ
 
 
アシナガバチの女王が私のベランダに帰ってきた。

数日前ベランダをふらふらと飛ぶアシナガバチを見て、ああ、すっかり春だなぁって思ってた。越冬した新女王が営巣地を探してるのかなって。うちのベランダの遺伝記憶を持ったコかな?だったらいいな、なんて思いながら。

2015年、ベランダの屋根にできたアシナガバチの巣を眺めながら過ごした夏の3カ月は楽しかった。巣がどんどん大きくなり、働きバチも増えて、ベランダにアゲハは飛来しなくなり、レモンは安泰で。夏の終わりにスズメバチに巣が襲われて、たった一匹のスズメバチになすすべもなく蹴散らされるのも目撃して、ちいさなハチの世界は驚きがいっぱいだった。

逃げたアシナガバチの中に翌夏の女王になる個体はいたか気になってた。同じ場所に巣をつくる習性があると何かで読んでいたから、帰ってくるかなと思って。
翌年もその翌年も巣造りはされなかった。カロライナジャスミンのトレリスにとまって巣材集めをしている個体はちょくちょく見た。「キミはうちのコ?」と訊いてみたり。

今日もふらふらとアシナガバチが飛んでいて、けっこうベランダ内滞空時間が長いので、もしかしてと姿を追ったら、15年とほぼ同じ場所に巣を造りはじめていた。あれから4年、4世代後の個体なのかな? 先祖の記憶がインプットされてるの?匂いでも残ってるの?たまたま?不思議ね。

巣を、どうしよう。
……って、迷ってもいないけど(笑)
15年の夏もアシナガバチとの間で恐い思いは一度もなかった。大人しいハチだからね。でも刺激しないように気を付けよう。

ベランダのポリカ波板、張り替えなくちゃと思ってたんだけど、仕方ない、それは冬に先送りしよう、、ふふ、良い口実ができた(笑)

おかえり、アシナガバチ。









アシナガバチ 生き延びた者たち
その後のアシナガバチ。
 
スズメバチに蹂躙され、巣を捨て落ち延びたアシナガバチ。
カロライナジャスミンの茂みでまだ生きています。
8月末から1ヶ月半、どうやって生きながらえてきたのか不思議。
数は半分位になってしまいました。
 
今日のような暖かい日は、1匹2匹、ふらふらと飛ぶのを見ますが
どこへいくのだろう。
10月も半ば、そろそろ彼らも生を終える頃かな。
 
傍で見ていた私が、哀れ…なんて感傷を抱くのはなんか違いますね。
生き物って、ただただ、ひたすら生きるだけです。
なんか見事だな。
アシナガバチ 戦意喪失
アシナガバチ 戦意喪失
アシナガバチ 戦意喪失
生き残ったアシナガバチ。
飛ぶ元気もなく、近寄っても魂抜かれたみたい。
 
働き蜂は、この細い細い腰ゆえ、固形物は消化できず、育てていた幼虫の分泌物で生きてたんだって。 その幼虫が獲り去られてしまって、働き蜂は狩る理由も食事も失ったってことらしい。
気温も下がってきたし、命が尽きるまでカロライナジャスミンの蔭でじっと過ごすのかな。 
 

平和がもどったベランダ。
ミントの花と、名前知らずの黄色い花。
蜂の脅威が去ったことを知ってか知らずか小さな虫たちが登場。

・・・・・

3年経ったいまは黄色い花の名前も知っている。ウズラバタンポポ。





アシナガバチ Honeycomb
巣を落としました。
 
もう獲物もないと思うのに、スズメバチがしつこく飛んできて
巣をガリガリやっているので。
スズメバチに知られてしまった巣に
アシナガバチが戻ってくるとも思えなかったので。
 
綺麗な巣だね。
アシナガバチ スズメバチ来襲
大きく育っていたアシナガバチの巣に異変が!
 
怖くて近寄れないのでピンボケですが、スズメバチかな?
幼虫をひっぱりだしてます。
 
ベランダのあちこちに私のアシナガバチが力尽きて落ちてる…。
スズメバチに襲われることもある、って読んでたけど
まさかそのまんまの展開になるとは。
 
こ、これって、いわゆる「有事」ってやつ??

アシナガバチ 檸檬の守護神
アシナガバチ 檸檬の守護神
檸檬の二番花。
5月末に咲いた花の実の横で今年はもう一度開花した。
 
檸檬の守護神。
おかげで、今年は檸檬の葉に虫食いがまったくない。
アゲハはひらひら飛来して檸檬の周りを踊っていくけれど
頭上のアシナガバチに気づくと一目散に飛び去る。
見てて面白いよ(笑)
 
ベランダの、私の部屋のすぐ上にあるんだけど
ハチも私も、お互いに慣れたのか怖い思いはしていない。いまのところ。
でもさらに大きくなりそうだし、気を付けよう。

アシナガバチ 女王の営巣
アシナガバチ 女王の営巣
やっぱりいた、アシナガバチ。

今年はアゲハが少ないなぁと思ってたんだ。
4月の終わりにみつけた卵がちびちびになったとこまでは見たんだけど
いつの間にかいなくなってたし、その後アゲハも来ないし。

アゲハがひらひら飛んでるベランダもなかなか美しいのだけど、レモンの虫食いは嫌だし、毎年の攻防が楽しくもあり。

どうしようかな。
アシナガバチだし、今年はレモンの守護神になってもらおうかな。

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