刑事事件の弁護士だった著者の書く短編は、11の事件簿という感じ。
弁護士時代に手がけた事件に着想を得ているのだろうけれど、もちろんこれはフィクションで、でも「事実は小説より奇なり」と思える人間の謎めいた複雑さを感じさせる11の物語。簡潔な表現だけれど、事件の余韻は残る。



最近、アメリカのミステリをまるで読んでいない。
主人公や被害者をいかに苦しめるか、それを微に入り細を穿って描写し尽くすのが小説の面白さとでも言うようなサイコキラーな内容に辟易してしまっていて手が出ない。
初めて読んだときはノンストップ・ジェットコースターなストーリーとその不気味さに夢中になったけれど。
たぶん、トマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」だったと思うな。そして「羊たちの沈黙」。この2作がワタクシ的にはサイコキラーの白眉。
そのあと、怪物が出るわ出るわ。アメリカはサイコキラー、シリアルキラーがうじゃうじゃいる国らしい。それに付き合ってたら心が腐りそう。いまのところはノーサンキュー。



アイスランドやドイツの事件小説がいまは心地良く読める。
シーラッハの第2短編「罪悪」も読んでみよう。
「コリーニ事件」は長編のようなので、気にはなるけれど、どうだろう?





コメント

はにゃ。
2014年1月29日14:10

「コリーニ事件」色々な意味でお勧めです。

シーラッハは短編小説家らしいですね。コリーニ事件しか読んでいないのですが、長編というよりは中編、位です。さくさくっと読めてしまいました。

ドイツ作品は、ノイハウスの「深い疵」は読まれましたか?これもなかなかお勧めです。

美藤
2014年1月29日20:57

中編、さくさく・・・なるほどーわかる気がします。
「犯罪」読んで、この文体で長編を維持できるのかなーって思いました。
でも、はにゃ。さんのお勧めなら行ってみます。
「深い疵」も前にお勧めいただいて読書リストに入ってます!
しばらくはヨーロッパもので楽しめそうです。

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