正確には、知らなかった。いまは知っている。
訃報によって。
死のニュース。
訃報から始まるということもある。
いろんなニュースが氾濫しているけれど、誰かの死を告げる知らせというのはほかのニュースとはなにかまったく違うものだ。
どんなに地味で平凡で目立たない人生でも、「死」だけはニュースになる。
訃報によって、何かが伝わる。訃報が、なにかを伝える。死が心を刺激する。
死をきっかけにして、その人を知り、あるいは思いだし、その人の残したものを手に取る、そんなこともある。
そんな風に気持が動くことが多くなったと思うのは、死をなんとはなしに近しいものと感じるようになったからかも。
―――生きていることは、当たり前じゃない。だから私たちは何度でも誰かと約束を交わし、相手と生きて再び会えることを祈る。 雨宮まみ
こういう言葉をメモしておこうと思う程度には。
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