城の眼
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城の眼

高松で最後に行った場所、「喫茶 城の眼」。
東京へ帰る日、すこし体調が良くなくて、午後のフライトまでの時間をどうしようか考えて向かったのがここ。

高松へ着いた日に、市内でリムジンバスを降りて、ホテルに向かう路地を曲がったところで見つけたお店だった。
「モダン」がまろやかに時を経た外観と不思議な店名が眼を惹いた。
ああ、もう、ここは絶対居心地良さそう、一度は入ってみようと思ってた。

思った通りで嬉しくなる。
ドアを開けると奥が一面石壁、右手が木の壁。天窓からやわらかい光が降っていた。
店主らしき70代くらいの女性ともうひとりがカウンターにいて、お客は常連さんだろうな、新聞読んでモーニング食べてる年配の女性ひとり。

壁際のソファに座ったとたん、くつろいだ気分になった。
ランチタイムが近くなって混んでくるまで、、と思ったけどそんな心配もなく、もってきた本が読める読める。
クラシック音楽がひそやかに流れてて、お店の二人の女性の伊予弁のおしゃべりもほんわりとしてて耳もくつろいだ。
仲の良い叔母の家へ泊りに来て居間でお茶飲んでる、そんな感じの居心地よさ。
そんな叔母、いないけど(笑)

大きな建物のエントランスやロビーの石壁って威圧感や冷たさを感じること多いけど、ここの壁はなんか温もりがあった。
石を愛したイサムが高松に家を持ったけど、ここは石がひとにやさしく馴染む風土なのかしらね。



そのとき読んでた一冊が武満徹の「私たちの耳は聞こえているか」なんだけど、
帰ってから武満徹を検索してたら「城の眼」が関連ワードに入ってきてて、開けてみたら「喫茶 城の眼」を造ったのが武満徹が加わってた「実験工房」というアート集団のメンバーのひとりなのだった。
昭和のモダンアート界隈のこともまたなんにも知らないんだけど、なんにも知らないままに面白い空間にいたんだなぁ、と。

高松はきっとまたいく場所。
そのときはまた「喫茶 城の眼」でくつろごう。





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