20代の頃、吉祥寺の東急裏にお気に入りの定食屋があった。
お洒落でもモダンでもない、まっとうな、すっ堅気の食堂。おじさんとおばさんで切り盛りしている小さな店で、屋号は四季といった。
フツーのご飯が食べたいね、ってことになってはじめて入って、ふたりで秋刀魚定食を頼んだ。大根おろしが添えられた焼き秋刀魚。小鉢は切り干し大根とか、きんぴらとか。お新香と味噌汁とご飯。
すっごく美味しいと思ってたべたんだよね。秋刀魚って美味しいんだなぁって。
二度目に行ったとき、連れは別のものを頼んだ。私は生姜焼き定食もサバ味噌定食も、唐揚げ定食も美味しそうだなぁ、どれにしようかな、迷うなぁ、、とさんざん考えて、この間の美味しかったから、、と秋刀魚定食を頼んだ。
三度目に行ったときも、「このあいだの〇〇も旨かったよ」という意見に迷いながらやっぱり秋刀魚定食を頼んだ。
つぎに行った時には「メニュー見なくていいよ、どうせ秋刀魚定食なんでしょ?」と笑われた。当たり。
一応は迷うんだけどね(笑) 秋刀魚定食美味しかった、ほかのも美味しいかもしれない、試してみよう、、、とはならないの。秋刀魚定食が美味しいってわかってるんだからそれがいい、ってなる。外したくないのかな?……って、たかだか800円程度の夜ご飯なのにね(笑)
でも一事が万事、そういう傾向あるかなー。
これが好き、ってなると、それが私の定番になる(笑)
それで満足しちゃう。
新しもの好きではないし、あまり目移りしないし、冒険しない?のかな?
保守的なんだわね。
定食屋・四季が閉店した跡地はエンポリオ・アルマーニの路面店になった。すごいギャップが笑い話になった。30年経って、いまだに「あなた秋刀魚定食のひとだからw」と言われる。反論はしない。
秋刀魚定食、美味しいもんねーだ。
コメント