家庭科の思い出

小学校の家庭科って、4年生から?5年からだった?
どっちだったか忘れたけど、最初の家庭科の時間のこと。

学校指定のおそろいの裁縫箱はプラスティックで女の子がピンク、男の子がブルー。中身はなんだった?白と黒の木綿糸、白い運針布と青い運針用の仕付け糸、糸切バサミ、巻尺、チヤコペン、それから赤い針山。
一番最初だから、縫い針と待ち針は針山に刺しておくこと、とか、糸の通し方とか、玉結びの仕方とか習ったのかな。

隣の席のカトウ君の裁縫箱を見たら、おそろいの針山と別に、ふた回りくらい小さな針山があった。それどうしたの?って聞いたんだと思う。「お母さんが作ったんだ」ってカトウ君が見せてくれた。
青と白のリボンを市松に組んで、ちいさな鈴がついてる針山。
家庭科の時間の終わり、道具を片付けているときにカトウ君が「あげるよ」ってその針山をくれた。
ちょうだいって言ったわけじゃない。そういうこと言えない性格だったし。でも、「あげるよ」って言われてすごく嬉しかったの覚えてるし、子どもだったからかほんとに欲しかったからか、素直に「ありがとう」って言って私のピンクの裁縫箱に仕舞った。

学校から帰って、裁縫箱にあるはずのちいさな針山がないのをお母さんになんて言ったんだろう。と、40年以上経って、そのリボンの針山見ながら、いま思った。

小学校の裁縫箱、ずっと使ってたんだよね。手縫いの針仕事なんてボタン付けくらいしかしないし、新たに裁縫箱をあつらえるようなこともなく用が足りてて。
だから青いリボンの針山もずっと使ってた。プラスティックの箱がひび割れて、お菓子の缶に中身を移してからも。
友達との話に「家庭科」なんて単語が出て、家庭科の先生ってなんでか苦手だったなぁ、とか、修学旅行に縫ったパジャマを着るというのがキマリだったけど、自分で縫ったパジャマなんて着て寝るの不安だったなぁとか、思い出しててリボンの針山にたどりついた。

カトウ君とは中学でも同じクラスになったけれど、高校、大学は離れたし、成人式の時に話をしたのが最後かな。
もしクラス会でもすることがあったら、これ持って行って見せてあげたい。






コメント

はち
2017年5月15日12:56

いい話だ!後日談が聞きたいので、ぜひ同窓会の行ってください(笑

男の子の感覚からすると、みんなと違う、それもかわいい針山を持っているのが恥ずかしくて、失くなったらいいなと密かに願っており、そんな時に、美藤さんが興味を示してくれて、これ幸いと手放しのかなと、勝手な想像だけどね

針山の思い出と言えば、昔の針山には髪の毛が入っていて、ちょっと怖かった

美藤
2017年5月15日20:17

そうそう、針山の詰め物。髪の毛でしたね…………
 
ん?まさかね?
、、、と確認したら、、、髪の毛でしたぁ~(汗)
まさか、お、お、お母さまの?? 嫌ぁ~
 
おぼろげなノスタルジーが、一転、ホラーな気配を帯びてまいりました(汗)

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