小学校3年だったと思う。
夜、父の仕事についてでかけた。
何時頃だろう、父は精肉店をやっていて帰宅するのは毎晩8時を過ぎたから、それから出かけたとして9時はまわっていたはず。
正確な場所は覚えていない。
ただ、幹線道路からも外れた郊外の、さらに奥だったような記憶だけある。
まわりになんにもないひろい場所で、真っ暗ななかに、工場のような大きな建物が立っていて、おおきく開いた入り口から明るい内部が見渡せた。
真っ暗な夜にそこだけ煌々と灯りがあふれて、不思議な場所に来た気がした。
父は工場に入ってゆき、私は助手席で輝く建物を見ていた。
工場の中で天井をゆっくりとベルトがまわっていた。
白くてまるいものがベルトからぶら下がってそっとゆれながら流れて行った。
ぼんやりと眺めていて、ふいに気が付いた。
あの白いまるいものは、首を落とされた鶏だ、と。
気が付いた瞬間すごくびっくりした。はじめて、それもなんの予備知識もなく見たんだから。
だけど、すごく納得したんだよね。
生きた鶏は知っている。卵を産んで、それがヒヨコになってまた親鳥になると。
鶏肉は食べている。モモ焼きも唐揚げも大好きだ。
それとそれが同じものなのはわかっていたけど、鶏が鶏肉になるところなんて、想像してみたこともなかった。
ふいに見て、驚いたけれど、とてもすんなり納得した。
気づいた瞬間の「どきん」がどんな種類のものだったかよくわからないけれど、怖いとは思わなかったし、気味悪くもなかった。もちろん、しばらく鶏肉が食べられなかった、、なんてこともなかった。
肉屋の仕事っていうのはここに繋がってるんだとわかっただけのことだったと思う。
友人に教えられたドイツのドキュメンタリ「エデンへの道/ある解剖医の一日」を観て、いろんなことを思い、思い出し、考えている。
リアルな解剖シーンがあるドキュメンタリーなので、さすがにすぐには手が出なかったのだけれど、不意に見ることになった食鶏工場を受け入れる小3のメンタリティなので、たぶん大丈夫だろうと思って観た。
感じることがあまりにも多い。多すぎて映画の感想にはなりそうもないので、ひとつひとつ、断片を書いていこうかなと。
夜、父の仕事についてでかけた。
何時頃だろう、父は精肉店をやっていて帰宅するのは毎晩8時を過ぎたから、それから出かけたとして9時はまわっていたはず。
正確な場所は覚えていない。
ただ、幹線道路からも外れた郊外の、さらに奥だったような記憶だけある。
まわりになんにもないひろい場所で、真っ暗ななかに、工場のような大きな建物が立っていて、おおきく開いた入り口から明るい内部が見渡せた。
真っ暗な夜にそこだけ煌々と灯りがあふれて、不思議な場所に来た気がした。
父は工場に入ってゆき、私は助手席で輝く建物を見ていた。
工場の中で天井をゆっくりとベルトがまわっていた。
白くてまるいものがベルトからぶら下がってそっとゆれながら流れて行った。
ぼんやりと眺めていて、ふいに気が付いた。
あの白いまるいものは、首を落とされた鶏だ、と。
気が付いた瞬間すごくびっくりした。はじめて、それもなんの予備知識もなく見たんだから。
だけど、すごく納得したんだよね。
生きた鶏は知っている。卵を産んで、それがヒヨコになってまた親鳥になると。
鶏肉は食べている。モモ焼きも唐揚げも大好きだ。
それとそれが同じものなのはわかっていたけど、鶏が鶏肉になるところなんて、想像してみたこともなかった。
ふいに見て、驚いたけれど、とてもすんなり納得した。
気づいた瞬間の「どきん」がどんな種類のものだったかよくわからないけれど、怖いとは思わなかったし、気味悪くもなかった。もちろん、しばらく鶏肉が食べられなかった、、なんてこともなかった。
肉屋の仕事っていうのはここに繋がってるんだとわかっただけのことだったと思う。
友人に教えられたドイツのドキュメンタリ「エデンへの道/ある解剖医の一日」を観て、いろんなことを思い、思い出し、考えている。
リアルな解剖シーンがあるドキュメンタリーなので、さすがにすぐには手が出なかったのだけれど、不意に見ることになった食鶏工場を受け入れる小3のメンタリティなので、たぶん大丈夫だろうと思って観た。
感じることがあまりにも多い。多すぎて映画の感想にはなりそうもないので、ひとつひとつ、断片を書いていこうかなと。
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