「スモーク」
「スモーク」
「スモーク」
煙草、吸ったことはあるけれど習慣にはならなかったし、いまは煙草臭い場所は苦手だ。
だけど物語の中で、煙草ってとても魅力的な脇役だなと思う。

映画「スモーク」の、ファイナルクレジット前のシーン。
オーギーとポール、いい歳したおっさんがふたり、向い合って意味深長な笑みを交わしている……ここ、煙草に火をつけて、煙吐いてでなきゃ画がモタないよね(笑)

ハーヴェイ・カイテルとウイリアム・ハート。どちらも好きな俳優だけど、このシーンのハーヴェイ・カイテル演じるオーギー、とくに好き。
ポールの席に座ってオーギーの話を聞きたいと思う。いわくありげな笑みをじっと見てみたい。そして彼の話を信じるただひとりの人間になりたいような気がする。
ウソかホントか、ちらりと頭をかすめるような話をして煙に巻いてくれるようなおっさんが好きだ。それって…と、思う間の沈黙をふふっと笑ってともにできるおっさんは素敵だ。

煙草の煙のようにふうわりと立ち上ってゆらめいてかたちを変え消えてゆく、そんな嘘が人生には必要。



私はちょっと黙って、オーギーの顔に、いわくありげな笑みが広がってゆくのを見つめた。たしかなことはわからない。でもその瞬間彼の目に浮かんだ表情は、なんとも意味深長に見えた。私ははっとした。もしかしたら、何もかもオーギーのでっちあげじゃないだろうか?おい、僕をかついでるのか、そう問いつめてみようかとも思ったが、やめにした。どうせまともな答えが返ってくるはずはない。まんまと罠にはまった私が、彼の話を信じた――大切なのはそのことだけだ。誰か一人でも信じる人間がいるかぎり、本当でない物語などありはしないのだ。



http://www.dailymotion.com/video/x1erla



コメント

はち
2017年7月13日22:18

先月、早稲田松竹で観てきました
適当な話ができるおっさん良いですよね
このシーンの後のトム・ウェイツの歌を聴きながら、この映画を初めて観た20年前はまだ若かった自分が主人公たちのようなおっさんになっていることに、しみじみしてました

美藤
2017年7月14日13:46

早稲田松竹でやってたんですね。名画座向きの映画ですよね。
含みのある良い話しができるまでには、その20年が必要なのかも。

hana
2017年7月14日23:51

美藤さん^^
こんばんは!

この映画を昨年末に観ました。DNにアップした記憶があります。
私、煙草を嗜む男性好きなんです(笑) たぶん亡き父の影響だと思います。

男性同士は内緒事できますが、女性同士では???ですよね^^

美藤
2017年7月15日11:11

hanaさん

いろいろ想像してみましたが…女同士ではこのオーギーとポールのような雰囲気になりそうもないなぁ、と。秘密の意味と距離が違うのかも。

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