秘密主義

2017年8月13日 日常
美藤は秘密主義だから、と言われたことがある。
あ、そうなんだぁ…と、他人事みたいに納得した。もう何年も前。

彼女は、私が友人たちとしゃべっていて、コメントしたり突っ込んだりすることはあっても自分からネタを提供しないよね、ってとこで「秘密主義」と言ったようだった。言われてみればそうかも、って思った。
そもそも、みんなに話したくなる面白い話ってあんまり思いつかないし、5W1Hを順序だてて話すの苦手というか、途中でめんどくさくなっちゃうんだよね。出来事について「こう思った」とか「それはこういうことかもね」という考えてることならいくらでもしゃべれるんだけど。
彼女の評が面白かったので「秘密主義」という言葉をmy辞書に入れて、ときどき使ってる。「私は秘密主義らしいので(笑)」って。




主義、というほど大層なものではないけれど。
「秘密」は大切に抱えている。

大切にしたいものは5W1Hの、その先にあって、それはすんなりとは言葉にできないもの。
というより言葉にしてしゃべってしまうと、台無しになってしまうものだ。

たとえば誰かと出会って恋をしたとして。
その瞬間の喜びを「世界中の花が降ってきた」とか「ビビビっときた」とか?
どう工夫したって言えば言うほど陳腐になるし、そのありきたりさ加減に気付かされるだけ。万葉の歌人のように千年を超える三十一文字を歌えるなら言ってもみたいけど。

いま「秘すれば花」という言葉が浮かんで、どう解釈するのが正しいんだっけ、、と検索したら、トップに渡辺淳一センセイのエッセイが上がってた。
紹介読んだら、男女の仲に限定して「ぺらぺらしゃべるな、秘密にしとけ」というようなこと書いてるんだけど、ほらね、世阿弥の言葉ですら手垢にまみれるわけでしょ(笑)

だから、言わない。
ほんとうに大切なことはね。
玉手箱は開けなければ永遠に宝物が入ってるんだから。







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