タイトルを見て、ロマンティックな期待を抱いて読み始めたけれど。
ダーウィンから始まる進化論の紆余曲折、論争の歴史をなぞったものだった。
本の帯を読めば、そう書いてあるね(笑)
ま、これはこれで面白く読んだけど。
1859年に「種の起源」が発表されてから、160年、生物の進化について喧々諤々論争が続いている。自然選択説(自然淘汰)vs 遺伝的浮動(突然変異)を中心にいろいろ(詳細は面倒なので省略 笑)いろいろな説が発表されるんだけど、門外漢の素人が読んでると、「全部ありなんじゃないのぉ~?」なんて思ってしまう。
絶対的な法則を見つけ出したい(あってほしい)と思う気持ちは解らなくはないけど。みつかればそりゃ~すっきりするもんね。
160年ものあいだ、科学が進んで新しい手法が使われるたびに導かれる結論が振り子のように大きく振れて、ダーウイン、反ダーウインがせめぎあう。その流れを読んでいると、ひとって、自分が見たものしか信じないんだな、と思う。しがみついてしまう、というか。まあ、観察にしろ実験にしろ何年も、時には半生賭けてしまうくらいの時間費やすから、そうそう自己反証することもできないだろうけど。にしても、「論争」は妙に感情的で政治的であまりにも人間的。
カタツムリは、進化論論争の歴史の中で常に観察される対象だったんだけど、読み終わって
かたつむり枝に這い
神、そらに知ろしめす
なべて世は事もなし
この詩が思い浮かんでしまった。
進化の法則なんてなんだっていいや、って。
カタツムリは愛らしいなぁ、と。
なんだか身もふたもなし(笑)
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