NO BORDER

2018年4月29日 日常
NO BORDER

いとうせいこう。

「国境なき医師団を見に行く」はルポルタージュなんだけれど、文体なのか形式なのか、「物語」的な表現が混じってくる。
回想し書き起こしている時間軸から、ふいに取材の現場の時間軸に移ったり。謎の人物がセイコーの前に何度も現れたり。
ノンフィクションはゴリッとした文体が好きだし、半端なフィクションは興覚めだったりするのだけど、これはなぜか違和感なく読んだ。
映画っぽいというか。ベルイマン効果っぽい、というと持ち上げすぎかもしれないけど。ちょっと不思議。
本人も、ジャーナリストにはなれないことを自覚していて、「作家」として書くしかないと言ってるんだけど。


「想像ラジオ」の時も感じたけど。
俺とおまえはどう違うんだ?というような問いがある気がする。
難民になったあなたと、俺はどこが違う?
死者と生者をわけるものはなんだ?
俺とおまえ、此岸と彼岸をわけるものは?
そういう問いかけ。

この問いは普遍的なものだろうけれど、最近よく目にする気がする。
あ、私がそれを無意識に探してるから、かな?


ともあれ、コトバのひと「いとうせいこう」がいまちょっと面白い。







コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索