宿題

2018年5月31日 日常 コメント (4)


僕がよく小さい子に言うのは、「野球がうまくなりたかったら、できるだけいい道具を持ってほしい。そしてしっかりとグラブを磨いてほしい」ということと、「宿題を一生懸命やってほしい」ということ、なんですね。
宿題をやる意味は、宿題そのものだけではないんですよ、実は。
なんでぼくがそれを大事だと思っているかというと……大人になると、かならず上司という人が現れて、何かをやれ、と言われるときがくると思うんですね。
子どもにとっていちばんイヤなことは、勉強することなんです。
よっぽど勉強が好きな人はおいておいて、キライなことをやれと言われてやれる能力っていうのは、後でかならず生きてきますよ。
ぼくが、宿題を一生懸命やってよかったなと思うのは、そこなんですね。
プロ野球選手という個人が優先される場所であっても、やれと言われることがものすごくあるわけです。だったら、一般の会社員になって、そんなことは毎日のことのはずです。だから、小さい頃に訓練をしておけば、きっと役に立つと思うんです。
やれと言われたことをやる能力を身につけておけば、かならず役に立つ。
「自分は野球が好きだからそれだけやっていればいいや」といって宿題を放棄してしまったら、おそらく、後で大変な思いをすると思うんですよね。

(「キャッチボール~ICHIRO meets you」製作委員会著・糸井重里監修)





ものすごく耳が痛い。
いまさら気づいてもどうしようもないけど。

私は宿題をしない子だった。
私が子どもの頃、どのくらい宿題がでてたか、記憶もおぼろだけれど。夏休みの終わりの記憶は、宿題が大変だった一生懸命やった、、というのではなく、やるのがイヤでイヤで仕方なかったという感覚が強く残っているので、ほんとにいい加減にしかやってなかったのだ。予習復習、試験前の一夜漬けすらやらなかった。男親家庭のひとりっ子で放し飼い、で、そこそこ成績が良かったのでとがめられることなく通り過ぎてしまった。
ほんとうに、好きなことだけ、やりたいことだけしかしないで10代を過ごした気がする。家庭環境をエクスキューズにして。好きなことのなかに本があったのが、まあ救いかな。

「やれと言われたことをやる能力」って、とても人生を支える力になると思う。嫌だけれどもやるしかないと思ってやれば、まっすぐ歩いて行ける。なんだか私は、斜めに斜めに、生きてきたような気がするのだ。

やりたいことだけやって生きて行けるのは、ひとにぎりの天才だけだと思う。
だから、その天才のひとりであるイチローの「宿題を一生懸命やれ」という言葉に、はっとした。
私が、ずっと、心の底の底の片隅に埋めていた、“私はどこか育ちそこなっている”という後ろめたいような感情の源はこれだったかもしれない。

一生懸命も努力も才能のうちというのもあるとは思うけれど、“私の辞書に努力という文字はありません”なんてうそぶいて過ごした時間が、いまさら恥ずかしい。
もう人生最終コーナーに差し掛かろうというとこで反省しても仕方ないので、心入れ替えたりはしないけど(←ヲイ 笑)
うわぁ、耳が痛い、、と思った。という話。

なんとか「後で大変な思いをする」というのをやり過ごしていけますように…。









コメント

はち
2018年5月31日10:37

同じく、「やれと言われたことをやる能力」の欠如にずっとコンプレックスを持っており、耳が痛い!
なんとかやり過ごしながら成長せずに大きくなったので、大人になってもその能力はないままで、毎日大変な思いをしながら必要のない脇汗をかきまくってます(笑

現に今日締め切りの仕事があってさっさと済まさないといけないのに、身が入らなくて、こんなコメント書いてます
永遠の夏休み明け状態のダメダメ社会人だな〜
凡人なのに、文豪の〆切本なんか読んで、勘違いしてるからいけないんだよね

美藤
2018年5月31日13:56

「拝啓 〆切に遅れそうです」ってやつですか?(笑)
私は「文豪ナンバーワン決定戦」というのを読んでます。文豪ブームなんでしょうか?(笑)〆切本のほうが面白そう!
やらなきゃいけないことがある時って、面白そうな本見つけちゃうものなんですよね(笑)


オトナ社会のどう考えても理不尽な「やれ」は「ヤダ」と言うべきだと思いますけど、小学生の宿題は、逃げない、サボらない、ズルしない、誤魔化さない、手を抜かない、言い訳しない、、、などなど、ひととして当たり前の実直さを身につけるのに大事なことだったんでは、、と、いまさらながら思います(汗)



はち
2018年5月31日15:07

そう、あの〆切本です、この本を出してる左右社はお気に入りなんです

「小学生の宿題も十分理不尽だと思います」なんて言うひねくれた考え方してたから、宿題ができないのは個性だから許してなんて平気でのたまう甘えた人間になってしまったのかと、
実直さはお金では買えないもので、自分で身につけないといけないんですね、耳が痛い

あ、〆切仕事なんとか終わらせました(笑

美藤
2018年5月31日18:35

「やれと言われたことをやる能力」の欠如を自覚していただけ、はちさんのほうが真っ当です。私なんてイチローの言葉で「あっ、、、」っと。 my辞書に「努力」「実直」はなく、「宿題」は削除したい、、うわぁ、書くほどにロクデナシ感が(汗)
永遠の夏休み明けってとんでもなくブルー。もういいです、永遠の放課後を生き抜きます(笑)

左右社、面白い本出してますね。いろいろ読みたい本見つけました。感想文書いて提出します(笑)

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