タイムラインに流れてきた「橋本治さん死去」に「ええ?!」と思う。
ショックを受けるような熱心な読者というわけではなかったんだけど。
「桃尻娘」がでた時は「はぁ?!」と思った。
団塊世代が嫌いだったのと軽薄が苦手だったから。その二つが揃って「もう、だから団塊嫌いなんだよ」って思ってた。私も若かったな(笑)
でも橋本治ってなんだかずっと気になってた。作品をまるっと読んではいなかったんだけど、雑誌や新聞で読むコラムや評論がすっと納得できたというか。
源氏物語や古事記のような大古典から浄瑠璃や浮世絵、小林秀雄や三島由紀夫。恋愛、SEXから家族、国家、戦争、経済まで。とっても優れたナビゲーターだったと思う。もちろんすべてがピンクヒップ語で書かれてたわけじゃないけれど、こんなPOPな教養、POPな知性もありなんだなって思った。博覧強記ととてつもない好奇心、思索力を出し惜しみしなかった。
ここ何年かの、日本の惨憺たる政治状況について書かれたあれこれを読んでも、「橋本治的軽味」はとっても大事だと思ってた。面倒臭そうなこと、難しそうなことをカラフルなキャンディーのセロファンで包んで撒くようなPOPな態度こそ必要って。
橋本治、70歳かぁ。なんだろう、すごく微妙な年齢。
ほんとうに、人生は思いのほか短いね。うかうかしてると終わるよ。
ちょっと焦ろうかな、、って思うくらいには、橋本治の訃報には驚いた。
この講談社文庫の「無花果少年と瓜売小僧」の表紙、なんだかとっても好きなんだよね。読んでないけど。本屋で見かけると手に取って眺めちゃう。
表紙イラストは高野文子。「桃尻娘」のイメージは単行本の さべあのま のほうがあってる気はするんだけどね。
コメント
ちょっと前にガンで闘病してるっていうのを見かけた時に「えっ?」って思ったんだけど、肺炎って怖いんだよなぁ。誤嚥性肺炎だったのかなぁ。
自分が二十歳の時の10歳、15歳の差ってすごく大きいけど、中年になったら大した差じゃないもんね。
若い頃の自分にとって、とにかく頭の良い人で、いろんなことを解説、ナビゲートしてくれる作家だった。熱心に読み続けたきたわけではないけれど、訃報にはとても残念な気持ちを強く感じた。
自分も病気でこの先・・・・・って感じることが増えたのもあるけど、ちょっと焦ろうかなって感じ、よくわかるなぁ。
作家でもアーティストでも、デビューを知ってる人たちが気が付いたら老人になってて。亡くなって、まだ早いといわれはするけど、もうそういう年齢なんだって。次は私世代の番なんだぁ~と。
最近、気になるライヴは迷っても行っておこうと思うのは、だからかなぁ。
ライヴに出かけてゆく体力気力がなくなる日が必ず来るし、そう遠い先じゃないって思うから。
あ、年寄りがせっかちになるのって、、、こういうこと??(汗)