「主戦場」

2019年4月23日 映画
「主戦場」
 
 
Shame on you.


私の貧弱な英語辞書に、このイデイオムがしっかりと追加されてしまったのは去年。
大阪市がサンフランシスコとの姉妹都市を解消すると言い出した時に、動画で上がってきた2015年のサンフランシスコ市議会でのやり取りのなかにあった。
サンフランシスコ市議が、日本の歴史修正主義者の発言に対して静かに「恥を知りなさい」と、3度繰り返した。3年も前の動画を見ている私が、恥ずかしさで頭が熱くなった。

その動画のシーンが、昨日観た映画の中に使われてた。
「主戦場」観てきた。
 
 
 
慰安婦の像をめぐる問題を扱った映画が公開されることは知っていた。
でも観に行こうとは思ってなかった。

なんで、お金出してまで、歴史修正主義者の顔を大画面で見なくちゃいけない?
あのひととか、あのひととか、あのひととか…。

誘われて、まあサービスデーだし「行きまーす」と答えたけど、鬱陶しいから目瞑ってiPodで音楽でも聴いてようかと思ったくらいだった(笑)
でもまぁ、やっぱり観て良かった。ムカついて、前の座席蹴りたくなったりもしたし、途中おおきく溜息つかないといられなかったけど。

あらためて知ったこともあったし。
慰安婦像の設置を行う韓国の団体代表者の「これは反日ではないのです。国と国の話ではなく、人権のための運動なのです」という発言。こっちでは嫌韓を煽るみたいに、反日運動としか伝えられてない。
日本と韓国の関係に関与し続けるアメリカのこと。タイミングや時の世界情勢。
日本会議で次期フロントと期待された女性の脱会と「やめて自由になれた」ことで見えてきたものの証言。
魑魅魍魎な方々を繋ぐ、トンデモなキーマンの、耳を疑う発言。これは観客みんながびっくりして一瞬館内ざわついた。



基本的には顔アップのインタビューを繋いでるんだけど、編集が上手かった。
もちろん監督の立ち位置は明確なので、彼のステイトメントが伝わる方向に寄った編集なんだけどね。あちらの方々には「偏向」とか言われるんだろうけど、しったこっちゃないわ。

私が被害を受けたのですと、辛い証言をする女性の言葉を否定する修正主義者の話は、自由にしゃべらせればしゃべらせるほどボロが出る。すかさず反証のカットが挿入される。訊かれたくない質問の、短い答えの後の長い間に耐えられず泳ぐ視線をカメラが捉えている。

良くできたドキュメンタリーだと思うよ。
面白かったよ。疲れたけどさ。

問題は、観たほうがいいひと、観てほしいひとが、観に行かないってことなんだよね。













 
 

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