エッセンシャルオイルとかお香とか調合された香りや、果実や花や肉魚とか天然由来の匂いにしても。それそのものの匂いへの好き嫌いはあるけど、煙草の匂いほどシチュエーションで刹那せつな好悪が変わる匂いってないような気がする。


箱から出した煙草の、葉っぱの匂いは好き。
良い匂いだと思う。葉っぱは舌先で舐めるとピリッと刺激がある。辛くて苦い匂いが口に残る。嫌いじゃない。
職人さんの一服の残り香は嫌いじゃない。風に飛ばされてほどよく希釈された新しい匂い。

混んでる電車の中でヤニ臭いスーツが目の前に立ちふさがると、えづいてしまうくらい不快。こんなスーツで営業行くんかーいと思う。
はじめてやってもらった美容師さんの指先がヤニ臭くて、次は頼みたくないと思ったけど、腕がいいので何度か頼んでたらそれほど気にならなくなった。あのときたまたま酷かった?
一階の住人が吸うひとで、洗面所のタオルが煙草臭くなる。取り換える。春秋、部屋の戸を開けていると副流煙が階段を登ってくる。副流煙って、身体に悪そうなモノを「吸わされてる」っていう意識が勝って不愉快になる。
飲食店。全席喫煙可の店は大抵選択肢から外すけど、喫煙者多いのをわかってても行きたくなる店もある。新宿のBとかDとか。吉祥寺のKとか。煙草が似合う店でもある。川崎辺りのモツ焼き屋なんかもノープロブレム。
喫煙者の多いところにいて、自分の服や髪が煙草臭くなったのに気づくと気分が下がるけれど、好きな人の煙草の匂いのする頭髪を嗅ぐのは好きだったり。

煙草の匂いって、その匂いを纏っているひと、満ちている場所、情況への自分の感情が直に反映されるのかも。ものすごくダイレクトに感情を揺さぶる匂いなのかもね。


誰が書いてたんだっけな。
「二日酔いで起きたときの自分の匂いがおっさん過ぎて、ああ、40過ぎるとみんなこんな匂いなのか?と思って、ベンジーとチバの頭の匂いを嗅いでみた。ベンジーは高級なシャンプーの匂いがした。チバはビールとタバコとハチミツの匂いがした」

ビールとタバコと、、ハチミツ!
こっそり嗅いでみたいー(笑)

男性用トワレの調香レシピになりそうだね。






コメント

はち
2019年9月24日10:06

わかります!
この銘柄の匂いは少しスモーキーなんだよね〜、などと訳のわからないことを言いながら、散々タバコ臭を撒き散らしていたのに、タバコを辞めた途端、ニコチン臭に嫌悪感しか持たなくなる勝手な日本人のなんと多いことか。
そんな日本人の一人である私は、電車で隣に座った人がニコチン臭かったり、前を走る見ず知らずの自転車の人がくわえタバコをしていてその煙がもろに当たった時など、かなり萎える
好きな人にタバコを吸う人がいなかったので、煙草の匂いのする頭髪を嗅ぎたいと思ったことはないけど、雀荘の壁紙に染み付いたニコチン臭はちょっとワクワクさせるものがある、あ〜、また来てしまったという後悔の念も含めて

チバユウスケ、あのなりで、頭がビールとタバコとハチミツの香りだなんて、ずるい!

美藤
2019年9月24日11:56

ハチミツですよ!? ハ、チ、ミ、ツ!(逆上 笑)

雀荘の壁紙の匂いは知りませんが、パチンコ屋の扉が開いた時に流れ出てくる、金属とニコチンの混じり合った匂いって、<後ろめたい匂い>って思います。
煙草の匂いって、悔恨とか退廃とか苦渋とか、そういうものと馴染む気がします。だから、物語を喚起する道具でもあるんでしょうけど。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索