お飾りをさがす
 
 
お正月のお飾りを売っているところが、みつからない。

スーパーマーケットの売り場に置いてあるのをネギや大根と一緒にレジに出すのはあまりに味気なくて、ここ何年かは駅ビルのコンコースに特設される売り場で買っていた。地元のとび職さん風のおじさんもいて、まあそれだけで迎春な気配で。

今年もクリスマス終わったらそこで買おうと思ってたんだけど、お店が出ていない。ほかに置いていそうなところをまわってみたけれど、ない。置いていても、洋風の玄関に似合うリース風のものだったり、安っぽかったり。縁起物なのに新年を迎える清しさがぜんぜんない。

ちょっと足を延ばして大きな神社まで行ってやっと、手に入れる。

こういうお店、昔はどこでも駅前に一軒は出ていたのにな。
昔は、とか言うの嫌だけど、クリスマスでさえ気配が薄くなってる気がする。クリスマスの浮かれた空気、年末の気忙しさ、どっちもなくなってる。


うちは父が精肉店をやっていたので、12月はクリスマスから大晦日までがかき入れ時だった。23日からは鶏のロースト機がフル稼働で、焼き上がるそばから売れていた。高校生になって手伝いに行った時面白いように売れて、大入り袋をもらった。31日は夜遅くまで雑煮用の鶏モモ肉を売っていて、父の帰宅は年をまたいで日付が変わってからだった。いまはもうなくなってしまった駅前の賑やかな商店街に店があったので、12月の湧き立つような町の空気にウキウキした気持ちが伝染した。クリスマスのホールケーキの箱が山積みになっていたし、正月の松飾を売る店も何軒も出た。
景気が良かったんだと思う。個人商店のおじさん達が元気だった。

昔は、そんなだった。時もあった。



大人になった私はイベント事は面倒くさいが先に立ってしまって、お盆と正月以外はスルーして過ごすので静かな12月でいいんだけど。でもなんというか、世の中がバカ騒ぎや無駄にばたばたするのをやめて落ち着いて過ごせるように成熟したっていう感じではなくて、綻びや小さな穴がいっぱいで、膨らむこともできない世の中になっちゃってるような気がしなくもない。

シケた世の中になったなーみたいな。
イベント嫌いな私が言うのもなんだけど。







コメント

hana
2019年12月31日2:36

美藤さま^^

言われてみれば、ホントそうですよね。
年末の商店街に注連飾りの出店がありましたね。それなりのお値段だったけれど、年末というより歳末という言葉がピッタリだったあの頃。

いつからスーパーマーケットで売られるようになったのかしら?
Loftでも見かけます^^

美藤
2020年1月2日14:08

hanaさん

そうそう、歳末ですね♪
規模は小さくても個人商店の元気な通りがにぎやかなほうが豊かな感じがします。…私個人のノスタルジーかもしれませんけど(笑)
いや、でも、季節の行事をどんどん端折ってしまう私みたいなのが多いから、loftやスーパーマーケットになっちゃったんですよね^^;

hanaさん、4世代のまんなかで怪獣君のお相手、しあわせなお疲れさま、ですね♪松が取れたらゆっくりできるかな?

今年もよろしくお願いします。

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