読みたい本がたくさんある。
気になる本は次々に見つかるのに、なかなか消化できない。
これ絶対面白いからゆっくり、集中して読みたいと思うのだけど、家だとどうしても夜になる。
昼間、時間を作れないわけじゃないんだけど、珈琲淹れに台所へ行ったついでに「あ、お米研いどこう」とか、部屋に差し込む陽射しが伸びてきて「そろそろ洗濯物…」とか、「あ、門の掛け金が鳴った、誰か来た?」とか、階下のひとの電話の声が微かに聴こえてイラッとか。
私の本を読む時間を敢えて邪魔するひとがいるわけじゃないんだけど、生活の音や気配ってけっこう神経にまとわりついてくる。本を読むって非日常なのに日常が足枷になる。

映画を観るだけのために映画館があるみたいに、本を読むためだけの場所があったらいいのになぁと思ってたら、できてた。


   ・・・・・


日曜だったせいか席は8割がた埋まっていた。
ひとつ空いていたソファに身体を沈める。
目の前の窓に面したカウンターの7人の読書家たちは本に集中していて、あまりに動きのない背中に「地蔵?」って思ってしまってちょっと笑いそうになったし、あまりの静寂に「なんだっけ、音立てたら死ぬ!みたいな映画あったよなぁ」と身じろぎするのも憚られてちょっと緊張する。けど、読みかけの本を取り出してページを開いたら私もするりと地蔵の仲間に。

オーダーしたレモネードがとても美味しくて。
アイスキューブではなくて丸氷に注いであって、最後まで水っぽくならずに飲み干せた。

短編を5編収録している本の読みかけ3編を読み切って、小腹が空いたので鳥ハム&クリームチーズのサンドイッチを頼む。これもハーブが利いてて美味。

ひとり客ばかりかと思ったら、連れ立ってきてるひとも数組いて。
わざわざ待ち合わせてここへきて、それぞれ別の活字世界に別れて過ごすというの、面白いなぁと。



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そういえば。
音楽を聴くためにオーディオ設備のあるホテルに行ったり、本を読むための場所探したりしてるんだよなぁ。
「生活」から離れたい。ちいさな非日常にでかけたい。
こういうのが私の欲しい贅沢。






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