秘密の裏庭。
天気が下り坂だというので、昨日陽射しの暖かな午後に。
紅葉の終わりと結実の盛り。
ああ、ここは晩秋から冬が良いなぁ。
春・夏ももちろん美しいけど、虫が多くてゆっくりできない。
虫、嫌いじゃないけど、のべつまくなしに襲ってくる蚊はうるさくてのんびり座ってもいられない。初夏の毛虫の季節はうっかりベンチに腰も下ろせないし、樹の上から降ってくるし。
ここにくると、ひとりごとが多くなる。
踏んで歩く草地の柔らかさに、わぁ~ふかふかだね~。
カエデの赤い絨毯に、わぁ~すご~い。
きれいだねぇ~美しいねぇ~、ああ~なんて気持いいのぉ~。
大きな樹や枯れ草やもぐら塚や、赤や青や黄色い実に、愛してるよ~と伝えたくなる。声にだして。
犬や猫に話しかけちゃうひと以上に怪しいかもね。
でもいいの、誰もいないんだから。
・・・
強く風が吹いて、スギかなヒバかな、大きな針葉樹が鳴る。
広葉樹の軽い葉擦れの音ではなくて、樹全体が揺れて軋んで立てる重たい音。
ギーゴゴゴゴ。ざわざわざわ。
そして良い匂いがする。アロマオイルでシダーウッドなんて名前がついてる匂い。それの最高にフレッシュな。
ここでは黙って耳を澄まし深く呼吸する。
竹林が鳴る。
カラカラカラカラ、、、コーンコーン。さわさわさわさわ、、コーン。
・・・
今日は雨が降っている。
雨の音も好きだし雪の日の静寂の音も好きだけど、自然の音の中で樹木の鳴る音が一番好きかもしれない。
・・・
風が大きく樹を揺らすのを見ながら樹の鳴る音を追って歩いていて気が付いたんだけど。
ひらけた草地の上空を軍用機が何度もなんども横切って飛んだ。
西に向かって、福生の方角かな。旅客機と違って低い位置を飛ぶからひらけた野外でも、聴いている風と樹の音とはあきらかに違う音が混じってきて耳に障る。
日本の制空権はアメリカのもの、というのを思い出してしまう。
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